生活の不一致
2001年7月24日高校2年から6年間つきあっていた二人が、結婚の報告に来た。
この二人は、高校生の頃はよく喧嘩をしていたが、今の二人の様子を見ていると、ほんとうによく息が合っている感じだった。
二人とも、それだけ相手のことを理解するために努力をしたのだろう。
初めから息が合った二人というのはそう多くはない。
たいていは、交際の中で相手のために努力しているうちに合って来るんだ。
相手のことを想っているときには、努力しているという自覚もないかもしれない。
そうやって、お互いがお互いのために努力し合うのだが、それがどちらか一方の努力であったり、妥協であったりしたときにはどこかに無理が出てくる。
努力と妥協の違い。
………これについても考えてみてほしい。
「性格の不一致」なんていうのが離婚の原因にあげられて話題になることがあるけど、それは結婚している人の話で、独身者にとって身近なのは「生活」の不一致。
つきあっていて、いろんなところで生活習慣の違いからくる擦れ違いが起こることがある。これが生活の不一致。
生まれてから長い間生活している家庭内でのいろんな習慣や、育ってくる間に身に付いた習慣というのはその人の性格の一部みたいになってしまって、そう簡単には変わらない。
特に、家庭内での習慣というのは、それがその人にとっての常識になってしまっているから、そのことが世間の常識と一致しているのかどうかということにまで思いが及ばない。
だから、周りから見たらなんか「変だな」と思うことを、何の疑問ももたずに行なっているなんてことさえある。それほどはっきりしたものではなくても、つきあっていると習慣の違いというのを感じることがある。
ただ、そのつきあいが、その人にとって初めてだったときには、それほど大きな問題にならないことが多い。
それは、初めて異性と交際しようとするときには、一所懸命相手に合わせようとするし、生活習慣の違いを感じても、「男の人っていうのは、そうなんだ」と、自分で納得してしまうことが多いからだ。
生活の不一致がはっきりと表に出て来るのは「二人め」のとき。
特に、「一人め」とのつきあいが長ければ長いほど、そして、一人めと別れてから二人めに出会うまでの期間が短ければ短いほど、はっきりした形で現われてくる。
たとえば、前の彼が時間を守るタイプで、約束の時間には必ず来ていたのに、今度の彼はルーズで、約束の時間に遅れそうになっても電話一本かけてこない、なんていう場合。あるいは、前の彼が大人で、彼女の気持ちをよく汲み取ってくれたのに、今度の彼は彼女の方からはっきり意思表示をしなければわかってくれない、なんて場合。
こういったケースでも、高校生のときはあまり深刻な問題にはならない。
それは、高校生の場合、結婚という問題がまだまだ遠い世界のことでしかないせいだ。
それが、大学生、社会人となっていくにしたがって、次第に結婚というものが身近になってくる。そうなると、高校生のときには問題にもならなかったような些細なことが、大きな問題として浮き上がってくる。
独身者同士のつきあいというのは、それがどんなに進んだとしても、結局は生活の一部でしかない。家でのわがままや、だらしのない姿など見せないし、見せる必要もない。二人が会っている間だけ努力すれば良いわけで、自分のいちばん良い姿だけを見せていられるし、少しぐらい嫌な所があったって、そのときだけ我慢すれば済む。
それが、結婚してしまうとお互いにいちばん緊張の緩んだ姿を見せあうことになるわけで、それまで見えなかった所もたくさん見えてくる。
家の中で良い格好ばかりしているわげにはいかないから、お互いのわがままも、はっきりした形で見えてくる。
そうなってきたときに、それまで問題にもならなかったような些細な行き違いが大きな問題としてクロ―ズアップされてくる。
そういったことを考えると、結婚ということまで考えにいれた交際では、些細な行き違いでも、それがお互いの生活習慣の違いからでたものであった場合、それが将来にわたって許容できるものであるかどうかを考える必要が出てくる。
約束の時間に遅れても、電話一本かけてこない彼は、結婚したあと、帰りが遅くなっても連絡もしてこないかもしれない。
………それを待っていられるか。
仕事ができて、バリバリ仕事をしている彼は頼もしいけど、結婚してからも仕事第―で、家庭は二番目になるかもしれない。
………それでも納得していられるか。
友達を大事にして、いつも大勢の友達に囲まれている彼は、結婚してからも友達を家に呼ぶことや、友達の家に行くことが多いかもしれない。
………それでもいいのか。
こういったことが気にならない性格なら、問題はない。
彼が連絡もせずに遅くなっても、自分のペースで生活を維持できる人。
彼が仕事―筋でも、頼もしく感じて見ていられる人。
自分自身も大勢で騒いでいるのが好きで、彼と二人きりの時間がそんなになくても良い人。
こういった人にはこんなことなど問題にもならない。
そうでないのならば、よく考えなくては。
十何年、あるいは二十年以上もの生活のあいだに身についた習慣というのは、そう簡単には直せない。だから、彼の生活習慣の中で、「いやだな」と思うことがあったときには、それが長い結婚生活の中で変化していく可能性のあるものなのか、また、その可能性がないとしたら、何十年もの間それを許容していけるものなのか考えてみる必要がある。
この二人は、高校生の頃はよく喧嘩をしていたが、今の二人の様子を見ていると、ほんとうによく息が合っている感じだった。
二人とも、それだけ相手のことを理解するために努力をしたのだろう。
初めから息が合った二人というのはそう多くはない。
たいていは、交際の中で相手のために努力しているうちに合って来るんだ。
相手のことを想っているときには、努力しているという自覚もないかもしれない。
そうやって、お互いがお互いのために努力し合うのだが、それがどちらか一方の努力であったり、妥協であったりしたときにはどこかに無理が出てくる。
努力と妥協の違い。
………これについても考えてみてほしい。
「性格の不一致」なんていうのが離婚の原因にあげられて話題になることがあるけど、それは結婚している人の話で、独身者にとって身近なのは「生活」の不一致。
つきあっていて、いろんなところで生活習慣の違いからくる擦れ違いが起こることがある。これが生活の不一致。
生まれてから長い間生活している家庭内でのいろんな習慣や、育ってくる間に身に付いた習慣というのはその人の性格の一部みたいになってしまって、そう簡単には変わらない。
特に、家庭内での習慣というのは、それがその人にとっての常識になってしまっているから、そのことが世間の常識と一致しているのかどうかということにまで思いが及ばない。
だから、周りから見たらなんか「変だな」と思うことを、何の疑問ももたずに行なっているなんてことさえある。それほどはっきりしたものではなくても、つきあっていると習慣の違いというのを感じることがある。
ただ、そのつきあいが、その人にとって初めてだったときには、それほど大きな問題にならないことが多い。
それは、初めて異性と交際しようとするときには、一所懸命相手に合わせようとするし、生活習慣の違いを感じても、「男の人っていうのは、そうなんだ」と、自分で納得してしまうことが多いからだ。
生活の不一致がはっきりと表に出て来るのは「二人め」のとき。
特に、「一人め」とのつきあいが長ければ長いほど、そして、一人めと別れてから二人めに出会うまでの期間が短ければ短いほど、はっきりした形で現われてくる。
たとえば、前の彼が時間を守るタイプで、約束の時間には必ず来ていたのに、今度の彼はルーズで、約束の時間に遅れそうになっても電話一本かけてこない、なんていう場合。あるいは、前の彼が大人で、彼女の気持ちをよく汲み取ってくれたのに、今度の彼は彼女の方からはっきり意思表示をしなければわかってくれない、なんて場合。
こういったケースでも、高校生のときはあまり深刻な問題にはならない。
それは、高校生の場合、結婚という問題がまだまだ遠い世界のことでしかないせいだ。
それが、大学生、社会人となっていくにしたがって、次第に結婚というものが身近になってくる。そうなると、高校生のときには問題にもならなかったような些細なことが、大きな問題として浮き上がってくる。
独身者同士のつきあいというのは、それがどんなに進んだとしても、結局は生活の一部でしかない。家でのわがままや、だらしのない姿など見せないし、見せる必要もない。二人が会っている間だけ努力すれば良いわけで、自分のいちばん良い姿だけを見せていられるし、少しぐらい嫌な所があったって、そのときだけ我慢すれば済む。
それが、結婚してしまうとお互いにいちばん緊張の緩んだ姿を見せあうことになるわけで、それまで見えなかった所もたくさん見えてくる。
家の中で良い格好ばかりしているわげにはいかないから、お互いのわがままも、はっきりした形で見えてくる。
そうなってきたときに、それまで問題にもならなかったような些細な行き違いが大きな問題としてクロ―ズアップされてくる。
そういったことを考えると、結婚ということまで考えにいれた交際では、些細な行き違いでも、それがお互いの生活習慣の違いからでたものであった場合、それが将来にわたって許容できるものであるかどうかを考える必要が出てくる。
約束の時間に遅れても、電話一本かけてこない彼は、結婚したあと、帰りが遅くなっても連絡もしてこないかもしれない。
………それを待っていられるか。
仕事ができて、バリバリ仕事をしている彼は頼もしいけど、結婚してからも仕事第―で、家庭は二番目になるかもしれない。
………それでも納得していられるか。
友達を大事にして、いつも大勢の友達に囲まれている彼は、結婚してからも友達を家に呼ぶことや、友達の家に行くことが多いかもしれない。
………それでもいいのか。
こういったことが気にならない性格なら、問題はない。
彼が連絡もせずに遅くなっても、自分のペースで生活を維持できる人。
彼が仕事―筋でも、頼もしく感じて見ていられる人。
自分自身も大勢で騒いでいるのが好きで、彼と二人きりの時間がそんなになくても良い人。
こういった人にはこんなことなど問題にもならない。
そうでないのならば、よく考えなくては。
十何年、あるいは二十年以上もの生活のあいだに身についた習慣というのは、そう簡単には直せない。だから、彼の生活習慣の中で、「いやだな」と思うことがあったときには、それが長い結婚生活の中で変化していく可能性のあるものなのか、また、その可能性がないとしたら、何十年もの間それを許容していけるものなのか考えてみる必要がある。
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