浮気男

2001年7月29日
おまえが俺のところに泣きに来るようになったのは、いつのころだったろう。
はじめはおまえが部活のことで苦しんでいるときだったと思う。
部長として部を引っ張りながらも、そのなかで生じるさまざまな人間関係に疲れ、そして、泣きに来た。
疲れて泣いているような、そんな自分は嫌いだ、とも言っていた。
「壊れそうになったら、壊れる前に寄りかかって泣く所がなければだめなんだよ」と言うと、黙ってうなずいていた。
そして、何も言わずに、ポロポロと涙を流して泣いていた。

12時過ぎまで俺の家で泣いていたのは、彼からの別れ話のあった晩。
彼が、別れた前の彼女を忘れられず、「気持ちの整理をしたいから」と言って、おまえに別れ話を持ち出した。
……………どうしてあの男はあんなに気が多いんだろうね。
もともと彼は移り気なタイプで、由岐のときも、聡美のときも、そして、前に千絵とつきあっていたときもそうだったが、一人とつきあっている間にも、他に気を移し、誰かとつきあっていても長続きせずに、すぐに他に気が行ってしまう。
このときもそうだったよな。おまえが彼に甘えすぎたのも良くなかったんだが。
彼にはまだおまえの甘えをすべて受け入れて包みこめるような余裕はなかったんだよ。

しかし、あのときのおまえの言葉。あれは忘れられないね。
彼のそういう性格について話し、これからだってまだまだ彼の移り気には苦労させられるだろうという話しをしたとき、「それでも好きなんです」と言ったあのときのおまえを、俺は忘れないだろう。
あのときおまえがそう言わなかったら、夜中の12時過ぎに彼の所に電話をして、大学生の彼に高校生のおまえを家まで車で送らせるなんてことはしなかっただろう。
(俺が他人の恋に介人するなんて、めったにないんだぜ。)

その後、おまえたちはどうしているのか。
おまえが卒業してからは、ほとんど顔をあわせることもなくなってしまった。
彼とは続いているようだけど、うまくいっているのかね。
彼の浮気癖が、そう簡単になおるとは思えないけどね。
苦労してるんだろうな。
「それでも好きなんです」って言われちゃ、俺の言うことはないけどね。

あの男は俺と同じで、あまり縛らずに放し飼いにしておいたほうがいいよ。
そして、彼をつないだ糸の端を、しっかりと掴んでいるんだね。

--------------------------------------------
男の浮気をどうとらえるか。
もちろん「許せない」っていう意見が多いだろうけど。
現実に、浮気癖のある男を好きになっちゃったら、どうする?
浮気癖のある男って、魅力的なやつが多いんだよね。そうじゃなければ、浮気の相手なんか現れないからね。
女にもこういうタイプがいないわけじゃないけど、やはり男の方が多いような気がする。

男の俺としては、こういうタイプは「放し飼い」がいいと思うんだが、これに反発を感じる女の子は多いだろうなあ。
こういうタイプは縛っても無駄。縛れば隠れて浮気をするだけ。それでも縛れば、苦しくなって離れていく。
「そんな男はいやだ」と言って別れられるのなら、それがいちばんいい。でもそれができないから苦しむんだよね。

男って、けっこう甘ったれだよ。甘え方が女とは違うけど。
家事一切を女にやらせて家でゴロゴロしているのも男の甘え方。
本人は、「家の仕事なんて、女がやればいいんだ」なんて威張っているつもりになっているけど、結局は母親に寄りかかっている子供と同じ。乳離れができていないんだよ。
浮気者の男っていうのも、これに近いタイプが多い。結局、一人確保しておいて、その子に母親代わりをやらせて、そこをベースに浮気してまわる。
その甘えをどこまで許すか、だね。
「放し飼い」っていうのもその方法のひとつ。
「ここまでは許す」っていう限界を設けておいて、その範囲内なら好きなようにやらせておく。ただし、そこを少しでも越えたら許さない。
その「許さない」っていうのがケース・バイ・ケースだけど、それがどういう形であれ、絶対に譲らないこと。

………難しいんだけどね。口先だけで脅かしたって、実際にできないと思われたら効果はないし。
だいたい、それ以前に「こんなことを言って嫌われたらどうしよう」なんて思ってしまうかもしれないし、彼が怒りだしてしまうかもしれない。
でも、ひとつだけ言っておくけど、浮気者とつきあおうと思ったら、毅然とした態度は絶対に必要だからね。

--------------------------------------------
土日は俺はあちこちの合唱やオケの指揮で時間をとられて、ゆっくりネットにアクセスしている時間もない。
でも、ここで日記ともいえないエッセイみたいな日記を書き始めてから、「すぐにこのことを伝えたい」っていう人が増えて、時間をやりくりしてネットにつないでいる。
今日ここに書いたのは、以前に書いた文章だけど、読んで何か感じてくれた人がいるだろうか。

コメント

Kei

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

日記内を検索