紀子の手紙

2001年9月9日
明日発売の雑誌に「日記をウェブで見せたがる人々の自意識」っていう記事が載るらしい。
まだ記事を読んだわけじゃないから、その内容はわからないけど、このニッキを普通の「日記」のように捉えているとしてたら、それは間違いだね。
俺は、見せるニッキというのは、友達・知人といった人たちとの世間話に近いものだと思っている。実際に顔を合わせている人たちとの会話とは違う場合も多いだろうが、基本的にはそんなに大きく変わらないのではないだろうか。そこに自分の日常が書いてあったとしても、それは自分ひとりで書く日記とは内容が違ってくるだろう。俺がこの日記をわざわざ「ニッキ」と書いているのもそのためだし、会話調で文章を書いているのもそのためだ。
そこのところがわからずに、外から自分の基準をもとに考えていたら、きっと内容は的外れなものになる。

俺自身は気をつけているつもりだけど、それでもやはり自分の世界や考え方を基準に、偏った見方で相手を判断するっていうのをやっているんだろうな。
気をつけよう。

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ところで、不倫の話だったよね。
俺のところに持ち込まれる不倫関係の相談は、100パーセント独身女性と既婚男性という組み合わせだ。だから、そのことについてだけ書いてみる。

結果として不倫といわれるような形になったとしても、こういう場合、女の子にとっては「恋」なんだよね。だから「同じ恋をしているのに、何で私ばかり責められるの」ということになる。
不倫がほかの恋と決定的に違うのは、普通はハッピーエンドは考えられず、ハッピーエンドになるときにはその陰で必ず不幸になる人がいるということ。

今日は、紀子という女の子が俺にくれた手紙を紹介しよう。

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不倫って、そんなにいけないことなのですか?
みんな「やめろ」って言います。

私だって、普通の女子大生、しています。
すこし歳の離れた人を好きになっただけ。
私があの人の前に立つのが遅かっただけ。

私が生まれた時、あの人はもう、奥さんと愛し合っていた。
間に合うわけ、ないじゃない!

Keiさんがいつか書いてくれたように、あの人の奥さんはあの人にふさわしい。
あの人が選んだ人だもの。
邪魔するつもりはありません。
でも、愛されたい。
少しだけ。 ほんの少しだけでいいから、あの人の愛が欲しい。

私だって愛したいんです。
恋がしたいんです。
愛しているのに、恋の成就を願ってはいけないなんて、残酷です。
「それなら忘れろ」って、Keiさんは言うんでしょうね。
そんなこと、できないのを知っているくせに。

お母さん、「おまえはふしだらな娘だ」って私を責めます。
私は愛しているだけなのに。
あれはお母さんの顔じゃない。
女が、女の敵を責めている顔だ。

私が胸のボタンをふたつ外して街を歩く。
男の子の視線が絡みついてくる。
あんな子が恋しても、学生どうしなら、いやらしくはないのですか?
私のほうがいやらしいのですか?

私だって、こんな苦しい思いなんか、したくない。
自分で離れられるなら、とっくに離れてる。
こんな苦しい恋がいつまでも続くはずがない。
神様がいつか自然に別れさせてくれる。
そう思って生きている。

Keiさん、私はどうしたらいいのですか。
どうしてこんなになってしまったのだろう。
私だって、普通の女の子だった。
「紀子がこんなになるなんて、思ってもみなかった」
Keiさんは、いつかこう言いましたよね。
私だってそうです。
自分で自分が信じられないことがあります。
どうしてこんなに好きになってしまったのだろう。
でも好きなんです。

いつか別れが来るんですね。
Keiさんに言われた時には、考えたくなかったけれど。
このごろ、幸せな結婚生活をしている夢をみます。
相手が誰だかわからないけれど。
「行ってらっしゃい」って見送っているところとか、庭の落ち葉を掃いているところとか。

私もやっぱり結婚したい。
相手はやっぱりあの人じゃないんだろうな。
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「私みたいな人がいくらかでも少なくなるように」と言って、紀子が公開を了解してくれた部分だけなので、文章は完全な形ではないけれど、状況はわかると思う。

どう思います。こういう恋って。

コメント

Kei

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